アニバーサリー

この世界にすでに存在しない人の
誕生日というものを
祝うべきなのかどうかと
私は少し考えてみて、
質量保存の法則というのを
いつか習ったことを思い出す。
存在しないのではなくて
何か違う物になって
この世の中には存在しているのだろう。
目に見えるか、目に見えないか
単にそういう違いなのだろう。
私が存在する事実というものが
そういうことを表している。
明け方の寒さは
すでにまったく違うものになっていて、
それはベランダのサンダルに
足を入れたときに分かる。
湯沸かしケトルが
お湯が沸いたと呼ぶので私は
緑色のお茶をいれて
体内に取り込もうと思う。

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