月別アーカイブ: 2014年2月

はと

ほら、眠りの浅い人ってたくさん夢を見るでしょ。 そう話しているのが聞こえた。 そういえば、俺最近結構夢見るな。 と、隣の男がヒップホップみたいに答えた。 私はただグラスの中の赤色を見ていた。 たわいない話である。 しかし … 続きを読む

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侵入者

最初に喉がとらえる。 それからはいつも決まったパターンで発熱する。 侵入者を追い出すことはできず、 体内で闘うしかないのだけれど、 それはかなり疲弊することで 高い温度を保持して 停止したような時間の流れを 耐えなければ … 続きを読む

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悟りの構造

日常的な悟りというものがあって それは言葉にできない。 無理やり言葉にすると 至極単純な言葉でしか表せない。 押すとか押さないとか、 軽いとか触れるとか、 そういうような。 けれどある日、そういう単純な 言葉の向こう側に … 続きを読む

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すべての人が魔法使いになりたいわけではない

科学というのは 魔法の原理を知ることだと思う。 それは本来、魔法使いに必要なことで、 私は知らなくてもよいのだが、 それを教えられて育ち そのようなことを少し使って 技術を生業として生きている。 言ってみれば、少しだけ魔 … 続きを読む

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祝日の作業

空は白色で 太陽は雲の向こうの点だった。 洗濯物は冷たく揺れており、 ゴミ処理工場の煙突から 南にたなびく煙を 硝子越しに私は見ていた。 祝日という時間が通り過ぎていた。 どこかに出掛けたいような気がしたが、 出掛けて何 … 続きを読む

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つもるはなし

このような大雪は45年振りである。 そうニュースが伝えている。 そうだったかな。 記憶の中の降雪を思い出そうとする。 報道というものを 頭から信じていないのかもしれない。 「23区内で」という話しかもしれない。 同じくら … 続きを読む

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二月の径

寒い日が続く。 縦縞から吹き出す冷たさは リアリティを含んでいる。 吹き消されないように覆いながら 歩く街の風景は 硬質な気持ちでできている。 指先で触れる硝子の板は 冷たさを増しているだろう。 スマホ対応の手袋など 私 … 続きを読む

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雪 ’14

雪でした。 私はずいぶんと長い間 雪を見ていなかったはずだけれど、 まるでよく知っていることのように 粉雪が舞うのを見ていた。 冷たい外の世界と 暖かい内の世界の間に 硝子窓があって、 それは曇ってお互いを朧にしている。 … 続きを読む

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祖父は黄色い衣を着ていた。 手に大きな升を持っており、 その中に沢山入っている煎った豆を 各部屋に控えめにまいた。 何かぶつぶつと唱えていた。 節分という行事において 豆をまいて鬼を追い払うのは いつも祖父だけだった。 … 続きを読む

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節分

恵方巻きというのはあれは そんなに昔からあったものだっただろうか。 太巻きにかぶりつくなんて 何て品の無い食べ物なのだろう 別に切って食べればいいじゃない と私の中の何かが言うものだから 私はそれにまったく興味が無いのだ … 続きを読む

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