月別アーカイブ: 2013年11月

蜜柑2013

スーパーの灯りの下に 蜜柑が積んであった。 その球体は、ばら売りで、 ひとつ38円だった。 私は三つカゴに入れた。 三つ買ってもトマトひとつより安い。 小さい頃は蜜柑を主食みたいに食べていた。 家族という団体の中にあって … 続きを読む

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懐かしさの展示

録画した番組をぼんやりと観ていた。 結成して四十年になるバンドが 再結成して演奏することについての ドキュメンタリー的な番組だった。 最近、このような番組が多い。 それは幼い頃によく聴いていた音楽で、 曲が流れてくると、 … 続きを読む

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空っぽ

時々、空っぽになる。 そして困り果てる。 何も出てこなくなって、 ただじっと何かを見つめている。 特に何かを考えているわけではなく、 氷漬けにされたみたいに 人としての思考を停止している。 そうだ、私は幼い頃からそうやっ … 続きを読む

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風邪を引いて寝込んだ。 朝起きたら喉が激しく痛んで 感染したのだなと思った。 不摂生なことをすると たちまち免疫力が落ちて 空中を漂うものにつけいられる。 喉の痛みは怠さに変わって それから鼻水そして高熱。 高い熱は時間 … 続きを読む

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簡素

「簡素」というのは どのような場合も良いことだと思う。 適切な空白は すなわち安らぎとそして孤独である。 しかしお金の匂いのするものはみんな そういった空白を狙っており、 物やサービスや情報でそれを埋めようとする。 簡素 … 続きを読む

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昼の闇

いつだって少しだけ遅れる。 遅れてもいいだろうと思っているわけではなくて、 遅れたくはないのに どうしても少しだけ間に合わない。 ほんの少しでも それは絶望的な隔たりを持って 強力に自分を特徴付ける。 間に合わない人の焦 … 続きを読む

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バス停

硝子のドアが 自動的に夜を左右に分けると 冷たい空気が身体を包んだ。 息は白くなかったから 気温は十度を下回ってはいないと思われた。 若い守衛が窓の向こう側で 「おつかれさました」と言った。 この守衛はいつも「で」が抜け … 続きを読む

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霜月

霜月の世界は 秋らしい装いの気象予報士が 四角いフレームの中で 棒を振りながら語るほど穏やかではない。 太陽は黒い雲で押し殺されていて ささやかな鳥の鳴き声は 低い車の音に流されている。 これはもしかして 冬の景色なので … 続きを読む

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