月別アーカイブ: 2013年10月

日常

髭や髪はすぐにのびて 時間の経過というものを顔に表す。 変わってゆくのである。 朝になると人々はそれを剃り また月に一度はそれを切ったりして 時間を巻き戻す。 そして何事もなかったように 家を出て、どこかに行き、誰かに会 … 続きを読む

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逃げられない

どんなに遠くに逃げたところで 無駄なのだ。 どこまでだってそれは ひたひたと付いてくる。 うまく逃げ切るということはない。 なぜなら 逃げている対象を 背負っているからである。 逃げたいと思うものを リュックサックのよう … 続きを読む

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ゼロ

自然と、 それから 不自然について このごろ考えている。 その境目はどの辺りに あるのだろうと思って。 プラスと マイナスの間には ゼロがある。 何もないことを表す わっかのこと。 喜びと悲しみ、 希望と絶望、 期待と不 … 続きを読む

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諸行

できないのではなくて、 分からないのではなくて、 忘れているのだと思う。 脳細胞だけが 何かを覚えているのではなくて 身体の色々な部分が 時空を越えて 私というものを 線のように覚えている。 だから何かに出会った時に 身 … 続きを読む

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倫理を持て

薄い袋の中に いくらかの温かい水と いくらかの肉をつめて、 その中に心というものを そっと浮かべている。 ただそれだけのものである。 切り裂くなかれ。 そして祈りは通じない。 ちょうど神は居ないのだ。 運が悪いといえば … 続きを読む

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饅頭

どこかに行った土産だと言って 小さな袋に入った饅頭やチョコレートが 机の上に置かれると同僚は 丁重に礼を言って受け取る。 しかし、それが食べられることはなく、 そのまま机の上、 あるいは引き出しの中に放置される。 そして … 続きを読む

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神無月のころ

十月の世界に神はいない。 ふたつの渦巻きが 南方より湿った空気を送り込むので、 困った顔をしている。 薄く開いた窓で 口笛を吹いてみる。 接地している部分は ほんの僅かで でもそれが 決別していることにはならなくて、 む … 続きを読む

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