月別アーカイブ: 2013年9月

九月三十日

九月が終わってしまうと 迷いがなくなるから それはそれで よいことだと思う。 それは、 もしかして夏かしら などと思わなくてもよい ということである。 もしもこれから とても暑い日があったとしても、 夏のように暑い秋の日 … 続きを読む

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にんじん

紛れもなく根である。 そんなこと、知っている。 時々、にんじんのことを考える。 もしもあれが、 オレンジ色でなくて土色だったなら 日常的に食べようと 思わなかったのではないだろうか。 たとえ味が根そのものであっても、 色 … 続きを読む

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砥石

赤いトマトの背中に刃を当てて すっと引く。 そうするとわかる 切れるか切れないか そういうことが。 最初はとても鋭くて いろいろな野菜や肉を 美しく切り分けていたが、 そうやってたくさんのものを 分断しているうちに すっ … 続きを読む

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ソロ

いったん草臥れてしまうと どうしようもなくなる。 自分のために食事を作るということが 果てしなく面倒になる。 そしてよくない炭水化物の類を 生きるために摂取していることへの くだらなさについて 嘆かわしく思う。 しかし、 … 続きを読む

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無色

雨には色がない。 透明である。 しかしそれが地上に落ちて 流れたり染み込んだり 何かの別の物に そして私たちに含まれた時 それは色を持つ。 緑や茶色や赤や肌色や黒色を あらゆるところで芽生えさせる。 色のないことは とて … 続きを読む

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イントゥザサイレンス

背面に座っている新人の丸山くんは元気がよい。 違う言い方で言うと、ちょっとうるさい。 ラウドである。 「えーっとそれはあれですか、こうなんていうか  AでなきゃBっていうことなんですか、でも  Bだとするとちょっと違うよ … 続きを読む

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