終わりの始まり

七月はもう終わろうとしている。
いつものように
そのことに理由はなく
また地球の自転を止めることもできない。
すべてのものは
同じ方向に向かって進んでいる。
すなわち、最終地点というものがある。
何事も過程である。
じたばたすることもまた
それほどの意味があるわけではないだろう
迷わないということは
色々な可能性に惑わされない
ということでもある。
限られた時間の中で
どのようにするべきなのか
いつも考えておくべきなのだろう。
空は今日も曇り空で
いまにも雨滴となって、
私たちの頭の上に落下してこようとしている。
見上げることは
季節を知ることだ。
言葉が見つからないと
いつも思うけれど、
それはたぶん、何も見ていないからだろう。
自分の中に言葉があると誤解しているのだ。
自分の中には何もない。
からっぽなのだ。
歳を取ると、老害がはじまって、
何かしら決めつけたくなる。
そしてそれを人に押しつけようとする。
まことに面倒なことだ。
人々がたくさん想いをめぐらせるための
材料を提供するだけでいいのだ。
言いたいことを言うのではなく、
よく見て
映ったものを書けばよい。
それを表現とすればよい。