月別アーカイブ: 2013年7月

七月はもう終わろうとしている。 いつものように そのことに理由はなく また地球の自転を止めることもできない。 すべてのものは 同じ方向に向かって進んでいる。 すなわち、最終地点というものがある。 何事も過程である。 じた … 続きを読む →

雲は甲羅のように割れていて、 その間から月が光をまとって姿を現す。 私は少し悲しい映画を観て デッキの上を歩いている。 陽が暮れる頃に降った優しい雨は 素早く靄となって 肌にまとわりついてくる。 背の高いマンションに点々 … 続きを読む →

鏡を見たら、右の白目に赤い点があった。 あれ、これ左目で起きたこと同じだったら とってもまずいと思って眼科に行った。 「ま、あざみたいなものですね。 　二週間もしたら消えるでしょう」 丸顔の女医はのんびりとした感じでそう … 続きを読む →

空は相次いでフラッシュを焚くのだが、 何も撮影した気配がない。 それで私は電話のような写真機を鞄から出して 空を取り込んでみるのだ。 不安定な空はうるさい。 ごろごろ、ごろついている。 ぼつ、ぼつぼつ、ぼつぼつぼつと 空 … 続きを読む →

夏は、冷蔵庫の奥の深いところで ゴトリと音をたてて落下する。 製氷機を掃除して、運転を再開した。 冷たさを四角に閉じ込めることは 電気仕掛けの儀式のようなものだと思う。

カセットデッキにカセットテープを入れて、 再生ボタンを押したけれど、 音楽は出てこなかった。 ぎー、きゅるきゅるきゅる、 と彼は言って、かたんと停止した。 何度やっても同じこと。 The best of CCRと 下手く … 続きを読む →