月別アーカイブ: 2013年1月

睡魔さん

ねぇ、もしも、 眠りの国というものがあったなら、 私はそこの大統領に推薦されるだろう。 あらゆる指導者は 推薦で決めればいい。 自分から治めてやろうなどと 言う者は、だいたいろくでなしである。 しかし私は、はてしなく眠い … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 睡魔さん はコメントを受け付けていません

厳寒

ときどき、雪が落ちてくる。 銀色の空。 クマは冬眠しているに違いない。 穴の中で夢を見ている。 食べ物があってもなくても 冬が厳しくても 命を繋がなければならない。 漁師は銃に油を塗っているだろう。 僕はイタリアみたいな … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 厳寒 はコメントを受け付けていません

奇術

太陽が沈んでから しばらくの間 磨りガラスの向こう側のように ひかりがざらざとして くちびるに冷たい風があたる。 世界が夜に向かう時の いつもの儀式なのだこれは。 長い煙突から 昇ってゆく熱は、もう影になっている。 ピア … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 奇術 はコメントを受け付けていません

科学

巨大なイカが居たら 大変な驚きらしい。 小さなガラスの板に向かって 喋ったり、擦ったりしている人々にも まだ驚きは残されている。 科学によって、理屈が分かっていないことは 全てが驚きなのだ。 逆に考えると、科学というもの … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 科学 はコメントを受け付けていません

ベルの亡霊

ジリリリリリ、というベルの音は 心の奥まで恐怖というものを 届ける音だと思う。 以前は大きなベルが二つもついた 目覚まし時計を使っていたのだけれど、 こんなの使っていたら 寿命が縮まると思って、棄てた。 はずだった。 こ … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | ベルの亡霊 はコメントを受け付けていません

出口

自然に目が覚めるまで眠っていようと思って 目覚まし的なものなどを仕掛けないで眠ると いつまで経っても目が覚めず、 十二時間以上も経ってからようやく 覚醒するという毎日が続いている。 お昼を食べて、ぼんやりしていると すで … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 出口 はコメントを受け付けていません

弐千壱拾参

この星では 真ん中にある太陽の周りを ぐるりと回る時間を一年と言っている。 人の命はせいぜい八〇回 回るくらいで尽き、 ひとによってはもっと少ないこともある。 なぜだか分からないけれど、 回っているうちに なにもかも古く … 続きを読む

カテゴリー: 諸行無常 | 弐千壱拾参 はコメントを受け付けていません