師走の空

今年というものは、
あと8パーセント程しか残っていない。
滑らかに繋がっているはずの
今年と来年に、区切りを付けようと
する気持ちが、長い年月の間に
備わってしまって
それが焦燥感というものを生む。
しかし、そういう時に限って、
あたりは冷たくて静かになる。
冷たくて静かなことは嫌いではない。
たぶんそこが戻る場所なのだ。

大きな段ボール箱を買った。
段ボール箱なんて買う物なのかと
思うけれど
うちにある箱では入らなかった。
何を入れるかというと
古いパソコンを詰めるのだ。
古いパソコンを詰めて
リサイクル業者に送ろうと思っている。
棄てるということは
思ったよりもお金と労力を要する。
人は意識しなくとも、色々なものを
あからさまに棄てて生きている。
所詮通過する管なのだ。
私はもうすこし棄てなければならない。
あまりに棄てないせいで、
もっと大切なものを入れる場所がないのだ。

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