月別アーカイブ: 2012年11月

内側

潰れたラーメン屋の前に ゴミが積まれていて、 その脇に何台も扇風機がうち捨てられていた。 冷たい風に吹かれて 扇風機の羽根がからからと回っていた。 風を送り出す機械は 風を受けても回るのだ。 私はしばらく扇風機にみとれて … 続きを読む

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かたち

「シュートが上手い奴がいるんですよ。  俺がこう絶妙なタイミングでパスを出すじゃないですか、  そしたら、そいつがすごくいいところに  すぱっとシュートを打って、見事に決まる  そういう事がもう何て言うか、たまらないです … 続きを読む

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月狩り

月は冷たく冷えていた。 私は手袋をはめて、 そっと手を伸ばしてみる。 もちろん林檎狩りのように 月を手に入れることはできない。 それは温度の問題ではなくて、 距離の問題だからだ。 分かっているようで 分かっていないことは … 続きを読む

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雑感

雨のあと、冷たくなった。 身につける洋服の、厚さが増した。 たとえ空に太陽の姿が見えても、 冷たい風が吹いて、日陰は寒かった。 左腕にインフルエンザの予防接種をした。 二日経っても、赤く腫れていて 押すと痛む。 そういう … 続きを読む

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雑踏

雑踏の中に身を置いていると感じるのは 休日に街に出たときだ。 通勤の時に見るあれは、規則性を持って 同じ方向に向かって歩く人々で、 川に浮かべた舟のように、 それに乗って私も会社に辿り着く。 目的が異なる人々がいる場所に … 続きを読む

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彷徨う霜月

歩いていると、突然もの凄いことに気付く。 これは、後で書き留めておかなくては と思うのだけれど、駅に着いた頃には忘れている。 いったい何が凄いことだったのか、 さっぱり思い出せない。 たとえ思い出したとしても、果たしてそ … 続きを読む

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