神無月

ひからびることへの恐怖について、
一度ひまわりに訊いてみたいと思う。
台風の渦が足早に通り過ぎて
十月という季節が幕を開けた。
音に溢れた季節ではなくて、
ただ静寂だけの季節でもなくて、
吸い込まれるように、音を失ってゆく
この季節が好き。
抗うこともなにもなく、
必然として十月に飲み込まれてゆく。
確かなことなど、何もないのだと
昔誰かが言っていた。
そう、確かなことで満ちていたなら、
自分はここに存在すらしていないだろう。

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