激しい雨が降ると
天気予報は何度も伝えたが
私の家の周辺では
ほんの少し雨が降っただけだった。
ねっとりとした風が吹いていた。
夕べから熱を出して寝込んだ。
扁桃腺が腫れるといつも熱が出て、
抗生物質が無ければいつも
まるでインフルエンザにでもかかったように
随分長い間寝込んでいなければならない。
昨日は早めに仕事を切り上げて
病院に寄り、抗生物質を仕入れてきた。
右側の扁桃腺の方が大きく腫れているようですね。
女医は喉の両側を手で触りながら言った。
冷たい手だった。
それから一日、おとなしく寝ていたけれど、
逆に熱は上がってしまった。
熱があるときに見る夢は、
ほんの短いエピソードの繰り返しで、
繰り返すことから抜け出せないということが
耐え難い苦しみに変わって行く。
しかし、たかだか扁桃腺が腫れただけで、
こんなにも自分はひとりであるということについて
考えるものなのだな、と思う。

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