惰眠

乾燥機の音を通奏低音のように聴きながら
眠りと覚醒の間を行ったり来たりしていた。
厚切りの雲が光を遮って、暗い土曜日
沈み込んだり浮かび上がったりするのはいつものこと。
気づくと日が暮れていて、乾燥機の音が止んでいる。
それから世界を満たすのは雨の音。
誰にも会わない、誰も私を必要としない土曜日。

人というのは、点であり、穴であり、
噴出口ではないかと、最近、思う。
人、そのものが能動的に何か特別なことをするのではなくて、
単にそれは出口の形であって、どこか深いところに
よいものも、よくないものも、混ざり合ってマグマのように
どろどろと流れており、出口を見つけて出てくる
そんな気がするのだ。

Bon Iverの音楽を聴いている。
こういう音楽が評価されているということが
何か救いのようなものだと感じるのは
それが、古いものではなくて、いまこの時代に
作られているからなのだ。
あらゆることは、過程なのである。

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