月別アーカイブ: 2012年3月

希望

春は近いようだ。 風がそう言っている。 いや、すでに春なのか。 春とは温度のことなのか それとも、温度によって 変化してゆく活動のことなのか そんなことを考えていたら またしてもとてつもなく眠くなって、 すっかり昼寝をし … 続きを読む

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好奇心

変わってしまうのは 季節だけではないだろう。 コンピューターの 冷却ファンの音から開放されて 空の星が並んでいるのを 見上げていた。 それは、そうモノレールの駅の 上空だった。 暮れてゆくことによって、 星の輝きが見える … 続きを読む

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西行

細い月が西の低い空にあった。 二つの星の少し上で 夜の瞼のようだった。 でも、なんだか不思議な気持ち。 西の空に細い月があるということが。 あら、小学校で習わなかったの? くまちゃんはそう言ったけれど、 そういう意味では … 続きを読む

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まさみか

神様、というのは 監視カメラのようなものではないかと思う。 ただ、見ているだけで 何もしないもの。 もしかしたら、ビデオケーブルは 繋がっていなかったりして。 いや、それどころか、ダミーカメラで 電源さえ入っておらず、 … 続きを読む

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ひがん

この国は春分に到達した。 そして夜になってから、強い風が吹いている。 北風。 ごうごうと音を立てている。 体感温度というものがあって 風に当たると冷たくなるらしい。 流れ、というのは熱を奪うのだ。 午後になってから干した … 続きを読む

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第三の目

ホクロができた。 しかも眉間に。 最初はニキビのようなものが、ぷつりとできた。 いずれ消えるだろうと思っていたら、 何か違う塊になって、もう取ることができなくなっていた。 ホクロというものは 知らないうちにそこにあるもの … 続きを読む

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遠方

悲しい人を見ると悲しくなる。 嬉しい人を見ると嬉しくなる。 けれど、近頃は 嬉しい人を見ても悲しくなる。 羨んでいるのだろうか。 いや、そうではなくて 嬉しい人はずっと遠くに 行ってしまうような気がして それで寂しい気持 … 続きを読む

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40年後の世界

ある日、晴れる。 晴れるというのはすなわち 青い色で塗りつぶされることである。 それは、空だから というただそれだけの理由によって そこに青があるのである。 そしてまた君は当たり前のように それを受け入れて、 遠くにそび … 続きを読む

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あの日

記憶 脳のどこかに科学的な物質として 風景や音や匂いや感触が蓄えられている。 当たり前だと思っているけれど、 それはとても不思議なもので コンピューターのメモリの ビット列のように明快ではない。 思い出す風景は そうやっ … 続きを読む

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しもしもし

 夜、電話がかかってきた。 「もしもし、おとうさんだけど」  電話の向こうの人はそう言った。  擦れた声だった。  おとうさん? 「もしもし、おとうさんだけど」  またそう言った。  それは、確かに父親の声だったから   … 続きを読む

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