雨が通り過ぎるたびに 季節は変わってゆくけれど、 今年はのぼったり、おりたりして はっきりと曲がり角を曲がらず、 まだ後ろ姿が見えたままだ。 ずっと、手を振って 手を振り疲れて、 だるくなって下ろしたころに やっと見えなくなるのだろう。 ゆっくり進むことが 良いことだとも、悪いことだとも 思わないけれど、 人は一度きりの命しかないと 思っているのだから ずっとせっかちに生きている。 さようならを言わないと、 新しい明日には出会えないのだから。