赤い旅というもの

太陽が山の向こうに消えてしまうと、
赤くなって、青くなって、黒くなる。
何度見てもそれが、不思議でしかたがない。
人は当たり前だと、思った瞬間から
旅をしなくなる。
隙間という隙間がつまらなさで埋め尽くされる。
逆に、当たり前ではないと思っている間は
常に旅をしている。
いや、そのことに気付くようになる。

人間は太陽に当たらなければなりません
そうしないとカルシウムが不足します
紫外線の影響よりもカルシウム不足の方が
深刻な事態なのです。
だれかがそう書いているのを読んだせいで、
腕に日焼け止めを塗らないで
灼熱の荒野を歩いたら、腕がすっかり焼けて
そして今、皮が剝けている。
脱皮しても、中から新しい自分が
現れるわけではなくて、
まったく同じ自分がそこにいるだけだ。
しかし、日に焼けて皮が剝けるなんて
何年ぶりだろう。

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