考えることが、考えたそばからこぼれ落ちて
なんて勿体ないんだろう、書き留めておけないんだろう
そう思いながら、現実から遠くなってゆくのが
自分にとっての眠りであるという毎日が続いて、
しかし、その程度でちゃんと学習していれば
きっと今のような自分ではないだろうということを
ふまえると、もっと何か違った方法を考えなくては
ならないのではないか、そう思ったりする。
ちまたで、いや、ちまたというのがどのあたりなのか
わからないけれど、少しだけ流行っているらしい
ペプシDRYというのを飲んでみた。
それで、びっくりした。
これを「DRY」っていうんだと思って。
自分の中のDRYというのは、辛口というか
辛いジンジャエールみたいな、そんなイメージ
だったが、このペプシDRYというのは
まるで水だった。
辛くも、甘くも、苦くもなかった。
こういうのを、世の中ではDRYというのだろうか。
そう考えながら、気付いたのは
自分が今まで思っていたDRYというものの
イメージがまったく間違っていたということだった。
DRYというのは、辛いのではなくて
「甘くない」というただそれだけの意味だったのだ。
なんだ、つまらない。
言葉は何か装飾するというか、物事にプラスの
意味を付けてゆく、プラスの存在だろうと思っていたが、
このように、マイナスする言葉もあるのだな、と思った。
しかし「どんな味?」と訊かれて
「甘くない」と答えるのはなんだかずるい気がする。
だって、それは味を答えているわけではないから。
「このケーキどんな味?」と訊いて
「辛くないよ」と返ってきたときの
失望のようなものを、感じながら。
その味のないコーラを飲んだ。
きっと、もう飲まないと思う。