いきている証としての四月

四月。
何かが変わることは苦手。
良いことも悪いことも
星の光のように暗い空に開いた
針の穴から差し込んでいて
それはとても遠くて
自分もきっとそのひとつなのだと
思うことによって
さらに遠くなる。
春が来る度に、桜が咲いて
水面に桜のピンク色。
それは去年の桜ではなくて
今年だけの桜で
そうして命を終えるのだけれど
いつまでもそうして
春が来る度に同じ花が咲くと
思われている無念さを
どうして受け取ればいいのだろう。
何もできず
何もしない
そういう馬鹿さを呪いながら
春を見送る度に
歳を取ってゆくことに
驚いてまた空を見上げるのだ。
いつまでたっても
悲しみばかりが追いかけてくる。
逃げようとは思っていない。
いつだってそうしてきたように
ただぼんやりして
ごまかし続ける。
距離をはかるための
ものさしを手に入れることが出来たなら
もう少し前向きに
明日のことを楽しみに
思うことができるのだけれど。

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