時間旅行

眠りから覚めると、未来が今になっている。
僕はたぶん、寝ている間もちゃんと息をして
心臓を鼓動させ、血液が循環し、
時々、夢だって見るけれど、
時間がなめらかに繋がっているわけでは
ないかもしれない。
僕の時間は点線のように途切れている。
それは毎日、少しだけ未来に飛んでいるようなものだ。
「そんな数時間先の未来なんてどうでもいいわよ」
この間、村田さんはそう言った。
自分にとってどうでもいいことと
相手にとってどうでもいいことは
違っていて、そのことを押しつけたりするのは
水分を失った花のように、下を向くことだ。
議論というのは戦いではなくて
樹木が太陽に向かって枝葉を
伸ばすようなことであってほしいと
いつも思う。

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