つないでゆくための所作

落ち着かない気分はまだ続いていて
いろいろな事が手につかない。
そういう状況というのは、自分はもう
このままずっと、何も出来ないで
朽ちてゆくのではないだろうかという
とてもネガティヴな気分を充填させる。
しかし、それは悩みでもなんでもなくて
ただ自分がそういうふうに出来ているのだ
という残念さのみで構成されている。

水曜日の夜、雪が降った。
短い時間だったけれど、白い雪が
街灯に照らされた街にひらひらと舞った。
バス停に急ぐ僕の傘に、カサカサカサと
雪が積もる音を聞いた。
それはとてもいい音だった。
掌の冷たさを忘れて、僕はその音を聞いた。
次にこの音を聞くのはいつだろうと思って。
いいことというのは、ささやかだ、僕にとって。
だから、ほんの少しで
なんとかなるのだろうと思う。
希望というのは、糸のような線ではなくて
点状になっていて、点と、点の間を
見えない糸で繋いでゆくことなのかもしれないと
節電で灯りの落ちた
駅の構内を歩きながら思った。

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