睡眠ぐ

たくさん眠ろう、という今年の目標を立てた。
睡眠不足というのは、世の中に立ち向かうための力を
奪ってしまって、水の入っていない花瓶に挿された花のように
余命幾ばくもない状態に陥ってしまうからだ。
言葉が失われて、何事にも後ろ向きになり体調が悪化する。
しかし、新しい年が明けて、会社が始まってみると
やるべき事、やりたいことが山積していて、早く眠ることができない。
まずは、早く帰らないとだめだな、と思う。

不眠症ではない。
というより、枕に頭をのせた瞬間に眠ってしまう。
なぜなら、眠くてふらふらになるまで起きているからだ。
自分は、小さい頃から何も考えない訓練を積んできたようなものなので、
考えるということから抜けだすことが得意である。
そう、何も考えないという状態を簡単に作り出せる。
だから眠れない夜はやってこない。
それはとても恐ろしいことで、浦島太郎が貰った玉手箱から立ち上る
煙のようなものだ。気がついたら爺になっている。
今がそういう状態。
しばらく前まで五歳だった。そういう記憶がある。

それがきっと最大の危機というものだ。
そこから抜け出すために、言葉を紡いでみたりしている。
存在することは、考えることだと思うから。

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