ちりぬるヲ

葉が落ちてしまうと、
景色から黄色や緑色が消えて
空が広くなる。
その事を、寂しくなったと
表現すべきだろうか。
枝は高く、空を突き刺している。
空はいつも、寂しさの対象である。

こころ、というのは
記憶のことだろうか。
だとすると、それは想い出で出来ている。
歳を取るたびに増えてゆく。
拾い集めて棚にしまわれるこころの断片。
昔、こころは心臓にあると思われていた。
ハートのかたち。
落ち葉のように散ったなら、
そこに何が残るだろう。

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