あこがれの距離

人は遠い所にあるものに、あこがれるのでしょう。
小さい頃、未来はずっと遠い所にあって
それはつまりあこがれの対象だったけれど、
歳を重ねる度に、未来がだんだん近くなって
今の私にはすぐ近くにあるものになってしまった。
気が付くと、過去の方がずっと遠くにあって、
今度は過去にあこがれている。
けれどもそれは、ほぼ全てが失われたものである。
現実にはもう存在しないものに、あこがれて
似たもの、近いものを探している自分に気付く。
あこがれは距離を持っている。長さがある。
そのことを忘れないようにしよう。

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