秋の一日

blue sky

午後から晴れて、空は青くて、とても遠くて、静かな一日でした。
僕はどこにも出掛けないで、玄米を炊いて、キャベツを炒めて食べました。
それから少しテレビを観て、眠って、そして珈琲を入れて、それだけです。
生産的な活動は何もしておらず、ただ生命を維持していただけです。
生き物の目的というのは、生命を維持して、種が絶えないように
子孫を作ること、ただそれだけなのでしょうか。
きっと、ただそれだけなのです。しかし、それには色々な都合があって、
その都合のために我々は色々と悩んだり、喜んだり、悲しんだりしなくては
ならないのでしょう。生きてゆくことが困難なことは、どんな生き物でも
同じだと思います。それに、理由付けをして、整理をしなくてはならない
我々はなんて面倒臭い生き物なのだろうと思います。
しかし、その面倒臭いがゆえの幸福感というものを、持つことを許されて
いるのかもしれません。

sunset

今日は夕陽が美しい日で、夕方、ずっとベランダにいて、空を眺めていました。
太陽がどんどん西に傾いて、雲の向こうに見え隠れしてから、山の向こう側に
沈んで見えなくなるまで、ずっと見ていました。カメラに50mmのレンズを
取り付けて(デジカメなので35mm換算で75mmくらいの画角になるのですが)
久しぶりにちゃんとしたカメラで空の写真を撮りました。夕陽というものは
刻々と失われるもので、きっと失われるから写真を撮りたくなるのでしょう。
でも、考えてみたら失われないものなんて、世の中に存在しないのですから、
僕は、常に失われるものばかりを写真に納めているのです。
写真も、そして僕も、いつか失われるのに、失われないようになんとかしようと
いつも、せいいっぱいなのが、時々なんだか可笑しくなります。

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